論文問題鑑定理論(論文問題)

【論文問題1★☆☆】条件設定

論文問題
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論文問題

問1 条件設定が必要となる理由について述べなさい。
問2  条件設定の妥当性を判断する観点のうち、「実現性」とはどのようなことか説明しなさい。
問3 条件設定の妥当性を判断する観点には「鑑定評価書の利用者の利益を害するおそれがないか。」という観点がありますが、この場合の「鑑定評価書の利用者」とはどのような者であるかを説明しなさい。また、「鑑定評価書の利用者の利益を害する。」とはどのようなことかを説明しなさい。
問4 鑑定評価の条件を設定した場合、鑑定評価報告書にどのような事項を記載しなければならないか述べなさい。

参考解答

不動産鑑定評価基準
留意事項
要説
問1 条件設定が必要となる理由について述べなさい。
鑑定評価に際しては、現実の用途及び権利の態様並びに地域要因及び個別的要因を所与として不動産の価格を求めることのみでは多様な不動産取引の実態に即応することができず、社会的な需要に応ずることができない場合があるので、条件設定の必要性が生じてくる。
条件の設定は、依頼目的に応じて対象不動産の内容を確定し(対象確定条件)、設定する地域要因若しくは個別的要因についての想定上の条件を明確にし、又は不動産鑑定士の通常の調査では事実の確認が困難な特定の価格形成要因について調査の範囲を明確にするもの(調査範囲等条件)である。したがって、条件設定は、鑑定評価の妥当する範囲及び鑑定評価を行った不動産鑑定士の責任の範囲を示すという意義を持つものである。
問2  条件設定の妥当性を判断する観点のうち、「実現性」とはどのようなことか説明しなさい。
対象不動産について、依頼目的に応じ対象不動産に係る価格形成要因のうち地域要因又は個別的要因について想定上の条件を設定する場合がある。この場合には、設定する想定上の条件が鑑定評価書の利用者の利益を害するおそれがないかどうかの観点に加え、特に実現性及び合法性の観点から妥当なものでなければならない。
一般に、地域要因について想定上の条件を設定することが妥当と認められる場合は、計画及び諸規制の変更、改廃に権能を持つ公的機関の設定する事項に主として限られる。
実現性とは、設定された想定上の条件を実現するための行為を行う者の事業遂行能力等を勘案した上で当該条件が実現する確実性が認められることをいう。なお、地域要因についての想定上の条件を設定する場合には、その実現に係る権能を持つ公的機関の担当部局から当該条件が実現する確実性について直接確認すべきことに留意すべきである。
後段のみでも政界ではありますが、想定上の条件の細目を聞かれた場合、必ず前段を冒頭に記載しましょう、加点がつくはずです。
問3 条件設定の妥当性を判断する観点には「鑑定評価書の利用者の利益を害するおそれがないか。」という観点がありますが、この場合の「鑑定評価書の利用者」とはどのような者であるかを説明しなさい。また、「鑑定評価書の利用者の利益を害する。」とはどのようなことかを説明しなさい。
鑑定評価書の利用者」とは、依頼者及び提出先等のほか、法令等に基づく不動産鑑定士による鑑定評価を踏まえ販売される金融商品の購入者等をいう。
対象確定条件を設定する場合において、鑑定評価書の利用者の利益を害するおそれがある場合とは、鑑定評価の対象とする不動産の現実の利用状況と異なる対象確定条件を設定した場合に、現実の利用状況との相違が対象不動産の価格に与える影響の程度等について、鑑定評価書の利用者が自ら判断することが困難であると判断される場合をいう。
想定上の条件を設定する場合において、鑑定評価書の利用者の利益を害するおそれがある場合とは、地域要因又は個別的要因についての想定上の条件を設定した価格形成要因が対象不動産の価格に与える影響の程度等について、鑑定評価書の利用者が自ら判断をすることが困難であると判断される場合をいう。
問4 鑑定評価の条件を設定した場合、鑑定評価報告書にどのような事項を記載しなければならないか述べなさい。
鑑定評価報告書は、鑑定評価の基本的事項及び鑑定評価額を表し、鑑定評価額を決定した理由を説明し、その不動産の鑑定評価に関与した不動産鑑定士の責任の所在を示すことを主旨とするものであるから、鑑定評価報告書の作成に当たっては、まずその鑑定評価の過程において採用したすべての資料を整理し、価格形成要因に関する判断、鑑定評価の手法の適用に係る判断等に関する事項を明確にして、これに基づいて作成すべきである。
鑑定評価報告書の内容は、不動産鑑定業者が依頼者に交付する鑑定評価書の実質的な内容となるものである。したがって、鑑定評価報告書は、鑑定評価書を通じて依頼者のみならず第三者に対しても影響を及ぼすものであり、さらには不動産の適正な価格の形成の基礎となるものであるから、その作成に当たっては、誤解の生ずる余地を与えないよう留意するとともに、特に鑑定評価額の決定の理由については、依頼者のみならず第三者に対して十分に説明し得るものとするように努めなければならない。
対象確定条件、依頼目的に応じ設定された地域要因若しくは個別的要因についての想定上の条件又は調査範囲等条件についてそれらの条件の内容及び評価における取扱いが妥当なものであると判断した根拠を明らかにするとともに、必要があると認められるときは、当該条件が設定されない場合の価格等の参考事項を記載すべきである。
前段は鑑定評価書の記載事項について問われた際には必ず、冒頭に記載するようにしましょう。

論点ブロック

問1~3

【論点ブロック】総論5章 鑑定評価の基本的事項
総論第5章の暗記すべき定義を一問一答形式で作成しています。

問4

【論点ブロック】総論9章 鑑定評価報告書
総論第9章の暗記すべき定義を一問一答形式で作成しています。

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