鑑定評価の概要
鑑定評価とは何をするのか直感的にわかるような説明をしていきます。乳牛を例にして。
乳牛!!
鑑定評価の方式として、原価方式・比較方式・収益方式の3方式があります。これらを説明していきます。
乳牛X
年齢2歳で、年間10万リットルの牛乳が出る乳牛Xの価格はいくらになるでしょう。
比較方式で求めてみよう
比較方式では、実際に取引された価格を比較して、価格を求めます。
最近乳牛A~Cが取引されました。
得られる牛乳の量を考えると、求めるべき乳牛Xの価格は、乳牛Bの価格より安く、乳牛Cの価格より高い、95~105万円が妥当な価格と思われます。
乳牛Aから年間10万㍑の牛乳が得られ、これは乳牛Xと同じ量になります。そうすると乳牛Aの取引価格と同程度の100万円の価格が妥当ということになりそうです。
したがって、100万円が比較方式で求めた価格になります。
原価方式
原価方式では、生じた費用を積み上げて求めます。
1歳の子牛が50万円で売られています。2歳の立派な乳牛にするには50万円の牧草1年分を子牛に与えて育てる必要があります。
2歳の乳牛を手にするためのコストの総額は、子牛の代金に1年間牧草の代金を加えた100万円となります。
したがって、100万円が原価方式で求めた価格になります。
収益方式
収益方式では、得られる収益からアプローチして求めます。
牛乳1万㍑あたり1万円とすると、比較方式で掲げた乳牛A~Cの取引価格から年間収益率10%で取引価格が決まっていること分かります。
乳牛Xは年間10万㍑ですので、収益方式から求めた価格は100万円になります。
乳牛Xの価格
比較方式・原価方式・収益方式いずれも乳牛Xの価格は100万円となりました。
したがって、乳牛Xの価格は100万円が妥当ということになります。
実務上、三方式の価格が一致することは稀れです。実際には乖離するので、どの方式で求めた価格が一番妥当であるか検討のうえ、価格を決定していきます。
まとめ
乳牛を例にして鑑定評価の概要を説明してみました。
乳牛なので年間の牛乳の量が取引において重視される要因でしたが、食肉用の牛であれば別の要因が重視されることになります。
不動産も同様で、物件ごとに重視すべき要因が異なります。
鑑定評価とは重視すべき要因を探し当て、3方式を適用しつつ、最終的な価格を求める作業といえます。
次回からキチンと要説を解説していきます。ぽちっと押して頂けると励みになります・・・
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