論文問題鑑定理論(論文問題)

【論文問題3★☆☆】価格時点

論文問題
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論文問題

問題
価格時点に関する以下の問に答えなさい。
⑴ 価格時点を確定する必要性を述べなさい。
⑵ 時点修正の必要性を述べなさい。
⑶ 過去時点及び将来時点の鑑定評価を行うことの適否について述べなさい。
不動産鑑定評価基準
留意事項
要説

 

⑴ 価格時点を確定する必要性を述べなさい。
不動産の価格を形成する要因(価格形成要因)とは、不動産の効用及び相対的稀少性並びに不動産に対する有効需要の三者に影響を与える要因をいう。不動産の価格は、多数の要因の相互作用の結果として形成されるものであるが、要因それ自体も常に変動する傾向を持っている。したがって、不動産の鑑定評価を行うに当たっては、価格形成要因を市場参加者の観点から明確に把握し、かつ、その推移及び動向並びに諸要因間の相互関係を十分に分析して、前記三者に及ぼすその影響を判定することが必要である。
不動産鑑定評価基準総論第3章
価格形成要因は、時の経過により変動するものであるから、不動産の価格はその判定の基準となった日においてのみ妥当するものである。したがって、不動産の鑑定評価を行うに当たっては、不動産の価格の判定の基準日を確定する必要があり、この日を価格時点という。
不動産鑑定評価基準総論第5章
⑵ 時点修正の必要性を述べなさい。
時点修正とは、取引事例等に係る取引等の時点が価格時点と異なることにより、その間に価格水準に変動があると認められる場合には、当該取引事例等の価格等を価格時点の価格等に修正することをいう。
不動産鑑定評価基準総論第7章
不動産の価格は常に変化の過程にあるものであるから、鑑定評価に当たって採用する取引事例等は、価格時点と同一の時点に成立した取引事例等とすべきであるが、現実には価格時点と同一の時点に成立した取引事例等を収集することは困難であるため、取引事例等の価格等を価格時点の価格等に修正する必要がある。
価格時点と同一の取引事例等の収集は困難⇒時点修正必要との流れを記載すれば足る。
時点修正に当たっては、事例に係る不動産の存する用途的地域又は当該地域と相似の価格変動過程を経たと認められる類似の地域における土地又は建物の価格の変動率を求め、これにより取引価格を修正すべきである。
不動産鑑定評価基準総論第7章
時点修正率は、価格時点以前に発生した多数の取引事例について時系列的な分析を行い、さらに国民所得の動向、財政事情及び金融情勢、公共投資の動向、建築着工の動向、不動産取引の推移等の社会的及び経済的要因の変化、土地利用の規制、税制等の行政的要因の変化等の一般的要因の動向を総合的に勘案して求めるべきである。
時点修正率は原則として前記により求めるが、地価公示、都道府県地価調査等の資料を活用するとともに、適切な取引事例が乏しい場合には、売り希望価格、買い希望価格等の動向及び市場の需給の動向等に関する諸資料を参考として用いることができるものとする。
不動産鑑定評価基準留意事項総論第7章
⑶ 過去時点及び将来時点の鑑定評価を行うことの適否について述べなさい。
価格時点は、鑑定評価を行った年月日を基準として現在の場合(現在時点)、過去の場合(過去時点)及び将来の場合(将来時点)に分けられる。
不動産鑑定評価基準第5章
過去時点の鑑定評価は、対象不動産の確認等が可能であり、かつ、鑑定評価に必要な要因資料及び事例資料の収集が可能な場合に限り行うことができる。また、時の経過により対象不動産及びその近隣地域等が価格時点から鑑定評価を行う時点までの間に変化している場合もあるので、このような事情変更のある場合の価格時点における対象不動産の確認等については、価格時点に近い時点の確認資料等をできる限り収集し、それを基礎に判断すべきである。
将来時点の鑑定評価は、対象不動産の確定、価格形成要因の把握、分析及び最有効使用の判定についてすべて想定し、又は予測することとなり、また、収集する資料についても鑑定評価を行う時点までのものに限られ、不確実にならざるを得ないので、原則として、このような鑑定評価は行うべきではない。ただし、特に必要がある場合において、鑑定評価上妥当性を欠くことがないと認められるときは将来の価格時点を設定することができるものとする。
不動産鑑定評価基準留意事項第5章

論点ブロック

【論点ブロック】総論5章 鑑定評価の基本的事項
総論第5章の暗記すべき定義を一問一答形式で作成しています。
【論点ブロック】総論7章 鑑定評価の方式(価格)
総論第7章の暗記すべき定義を一問一答形式で作成しています。

蛇足:要説

試験は不動産鑑定評価基準に記載されていない内容は要説から出ると言っても過言ではありません。

時間があれば、要説を読み物として読んでみてください。

特に「具体例を挙げよ」といった問題の答えは、要説の解説ページに記載がありますので。

受験生には、少々難解かもしれません。よくわからない箇所があれば、質問してみてください。

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