取引規制

政府が取引規制を行い、取引量を制限した場合、社会的総余剰はどのように変化するか見ていきましょう。
消費者余剰



規制がない場合の消費者余剰は以下のとおりでしたね!



政府の介入前の消費者余剰は△AE0P0となっています。



ここで、取引量を政府によりX0からX1へ規制されるとどうなるか見てみましょう。



取引量の減少によって、価格はP0からP1に上昇してますね。



取引規制が行われた場合、消費者余剰は△AE1P1となります。



消費者余剰が□P0E0E1P1分だけ減少していますね。



このように取引規制が行われた場合、価格の上昇と需要量の減少により、消費者余剰は減少することとなります。
生産者余剰



規制する前の生産者余剰は以下のとおりでした。



△P0E0Bが生産者余剰ですね。



消費者余剰と同様に、取引量を政府によりX0からX1へ規制されるとどうなるか見てみましょう。



取引量の減少によって、価格はP0からP1に上昇します。



生産者余剰は増えているのか、減っているのか微妙ですね。



生産者余剰は□P1BCE1になりますので、△P0E0Bとの面積の差が生産者余剰の増減分となります。



取引規制により、生産者余剰が減るか増えるかについては、ケースバイケースです。
社会的総余剰



消費者余剰と生産者余剰を足し合わせた社会的総余剰について見ていきましょう。



取引規制のない状態の社会的余剰は以下のとおり△E0ABとなっています。



取引量を政府によりX0からX1へ規制された場合の消費者余剰及び生産者余剰を足し合わせると以下のとおりになります。



社会的総余剰は△E1E0Cだけ減少していますね。



取引規制をすることにより、社会的総余剰は減少する。



つまり、どういうことですか?



分かりやすくいえば、みんなの幸せが減少することになります。



経済学っぽくいいますと、効率的な資源配分が達成されていないとも言えます。



本来ならば、この財・サービスをX0だけ供給するために生産要素が使われるはずだったものが、政府の取引規制により使用されなくなったか、別のところで使用されることになり、その結果として社会的総余剰が減少したと言えます。
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