需要と供給

ミクロ経済学を勉強するうえでの基礎として、需要と供給について押さえましょう。



需要?供給?



需要とは、買いたい!買いたい!と思う気持ち。



供給とは、売りたい!売りたい!と思う気持ち。



Nintendo Switchがほしい!!



それが需要です。



Nintendo Switchを買いたい人が、たくさんいるとどうなりますか?



いま品薄で、ネットでの価格が高騰してます・・・



売りたい人より、買いたい人が多いと価格は上がっていきます。



いま、増産してくれるのを待っています。



お店にいっぱいNintendo Switchが並べば、誰もネットの転売屋から購入しなくなるので、価格は下がってくるはずです。



さらに、もし売れ残りがでるようになると、価格はもっと下がっていきます。



買いたい人が増えると価格が上がり、買いたい人が減ると価格が下がるんですね?



このように価格は、買いたい気持ちと、売りたい気持ちのバランスで決まります。



需要と供給のバランスですね!
需要<供給⇒価格下落:買いたい人が少なければ価格が下落します。
夏のビール
5本のビールと限界効用



夏はビールに限りますね。



昨日居酒屋で、ビール1本300円だったので、5本飲みました!



1本目と5本目では、どちらがおいしく感じましたか?



当然、最初の1本目!特に最初の一口!



ビールが1本しか飲めない場合、いくらだったら注文しますか?



最初はやはりビールが飲みたいので、千円ちょっと・・・1,100円なら払います。
1本目のビールにはその価値があると思います!



1本飲んだ後に、2本目はいくらだったら注文しますか?



900円くらいかな。



追加の3本目は?



たぶん、少々お腹膨れてきますので、700円くらい。



追加の4本目は?



ウーロンハイと悩んだ末、500円なら注文すると思います。



5本目の追加は?



もう惰性で飲んでいると思うので、300円くらいじゃないと注文しないです。



追加注文するビールの数と追加で払っていい値段を棒グラフにすると下のようになりますね。



ビールを飲みたい!という気持ちを需要、注文するビールの本数を需要量と言います。



ビールを飲んでご機嫌になることを効用といいます。



ビールを飲めば飲むほどご機嫌になりますね?



ビール好きですから、お金があればいくらでも飲みます!飲めば飲むほどご機嫌です!



でも、1本追加するごとに得られる満足(効用)はどんどん減っていきますね。



ビールはお腹が膨れますしね。



この1本追加注文するごとに得られる満足を限界効用といいます。



もう限界です!!の限界?



Marginalの誤訳が定着してしまっただけらしいです。この場合の限界は追加的なという意味です。つまり、限界効用は追加的な効用という意味となります。



1本目のビールの限界効用は、支払ってもいい金額と同じ1,100円、2本目は900円・・・5本目は300円というように表すことができます。



1満足、2満足、3満足・・・って数えるんじゃないんですね。



比較する際に金額表示の方が分かりやすいと思います。



このビールの例のように、追加の満足(効用)が1本毎に減っていくことを、限界効用逓減の法則といいます。
6本目のビールと限界効用



では、6本目の注文をしなかったのは、なぜだと思いますか?



ビールばかり飲んでても飽きてきますから。



ビールは、最初の1本目が一番おいしくて、2本目、3本目と進むと、どんどん満足度が下がってきますよね?



そうですね。お腹膨れますし。満足度が下がってきますのでお金はあまり払いたくありません。



1本100円なら,もう1本くらい頼みましたね。たぶん。



6本目の話をグラフに追加すると下のグラフになります。



6本目で得られる限界効用は100円の価値ですが、ビールの値段は300円です。あなたにとって、6本目は200円分割高だったわけです。



お財布と相談しながら、飲んでただけなんですが、実は小難しいことを無意識に考えながら注文してたんですね!



1本目の限界効用は1,100円・・・5本目の限界効用は300円、6本目の限界効用は100円となります。



5本目のビールの限界効用は300円、ビールが1本300円でした。限界効用に見合った価格だったため、注文したわけです。



つまり、限界効用と価格が一致するところでまで、ビールを注文することになるんですね!



そのとおりです。限界効用=価格となるところで需要量で決まります。
ビールと需要曲線



さきほどの棒グラフを、折れ線グラフにしてみましょう。



ビール1本900円のとき、2本注文しますね。
ビール1本700円のとき、3本注文しますね。
ビール1本500円のとき、4本注文しますね。
ビール1本300円のとき、5本注文しますね。
ビール1本100円のとき、6本注文しますね。



限界効用と需要量の関係をグラフにしたものですが、同時にビールの価格と需要量の関係も示しています。



限界効用逓減の法則で、限界効用がどんどん下がるから、右下がりのグラフになるんですね!
夏のビールと消費者余剰



1本目は1,100円払ってもいいって思っていたのに、300円で飲むことができて得したと思いませんか?



900円も得でしたね。



そうすると、2本目は900円払っても飲んでいたので、限界効用は900円。ここでも600円得してましたね。



この限界効用と価格の差を消費者余剰と呼びます。



消費者余剰は、需要曲線とビールの値段を表した水平線との差となります。



1本目の消費者余剰は1,100円-300円=+800円



2本目の消費者余剰は800円-300円=+500



3本目の消費者余剰は600円-300円=+300円



4本目の消費者余剰は500円-300円=+200円



5本目の消費者余剰は300円-300円=±0円



6本目の消費者余剰は100円-300円=-200円



6本目の消費者余剰はマイナスになりましたね。



6杯目の中ジョッキはお得感がマイナス!



つまり、損しているわけです。



そうなると、6杯目は注文しないですね。



5本目まではどんどんお得な部分(消費者余剰)が積みあがって増えていきます。



お得な部分(消費者余剰)を最大にするようにビールの注文を決めるとすれば、5本で注文をストップすることになります。



ビールを5本注文した時の、消費者余剰を図示すると下の図のようになります。



3本しか注文しなかったときの消費者余剰はどうなりますか?



お得な部分(消費者余剰)が減ることになります。



もったいないですね。もっと飲みたかったのに。



もったいないですね。
冬のビールと需要と需要量



需要と需要量の違いってわかりますか?



需要は買いたいって気持ち。



需要量は買いたい量!



そうですね。例えば、ビール5本は需要量になります。



1本1,100円なら1本しか注文しない、1本300円なら5本注文する・・・これは需要。



では、需要が減るとはどういうことだと思いますか?



買いたい!!て思う気持ちが減ってしまうことだから・・・300円でも5杯飲まなくなること!!



冬のビールを思い浮かべてください。



私の場合、焼酎のお湯割りが増えます!



ビール自体は変わりませんが、同じ値段なら需要量が減ることになりますね。
つまり、需要曲線が下(左)にシフトします。



このように限界効用(価格)と需要量の関係が変わることを需要が増加する・需要が減少するといいます。



需要量が増加する・需要量が減少するとは、まったく違いますので気を付けてください。
次回予告



今回は需要と供給のうち、需要をフォーカスしました。



需要、需要量、需要曲線、限界効用、消費者余剰・・・もりだくさんでしたね。



次回は、供給をフォーカスします。
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